企業会計の基本

我々IT関連の業務に従事する人でも、会計的にやってはいけない処理・取引があります。それらを理解するには、企業会計の基本を一般ビジネスマンレベルで知る必要があり、尚且つ資源統括に属する人はそれらを解り易く説明して、プロジェクトの人々(部内)に理解させる必要があります。

詳しい説明は、会計士やそれらを目指す人向けの専門誌に任せる事として、日常のIT関連の取引に関してやってはいけない事と、その理由を整理してみましょう。

会計の基本

会計の基本と呼ぶには程遠いですが、企業会計について、IT(経理以外の部署)レベルで、一番簡単に集約した物が以下の図になります。

 

やってはいけないISの取引

IS部門でありがちな、”やってはいけないISの取引”とは・・・ 自分が過去に勤めていた会社でも結構ありましたね。その原因は、”社内ルール+執行の煩わしさ” ”営業ノルマ” に起因していました。

設備取得する物を、経費で取得する

一般的に設備予算は、予算の取得(確保)・執行(上申)において管理が非常に厳しい。だからIS部員は事務手続きが楽な経費で取得しようとします。

■例えばプリンターの購入

単体で購入すれば80,000円ぐらいの物を経費として購入。

本当は、+フィーダー30,000円、+ネットワーク対応ボード10,000円、+設定費用5,000円 = 合計金額は、125,000円(その物の機能単位の合算)であり、設備として取得するべき案件なのに。

年度末の経費使用

■年度末に駆け込みで使う=世の中の道路工事と同じ発想

期末になって経費が余っている。次年度経費予算の策定は、当年度実績のキープフラットが多いと思う。従って、経費をたくさん使う様に仕向けて、期末に沢山使う=来年も同程度の経費予算を取得。

実際に使うこと自体は悪いことではありません。しかしながら使ってもいない物を経費として計上する事は会計原則に反します。

架空売り上げ

例えば、自社製品・サービスに対して、商談中の案件を ”受注していないのに、受注と同様の売り上げ処理” してしまう事。

コンプライアンスな世の中になってだいぶ減ったと感じますが、まだまだ有り得る話。ノルマの厳しい会社にありがちな話であり、近年では”東芝不正会計問題”もこれに起因していると言われています。

やってはいけないIS取引の結末

では、”やってはいけない取引” を行ってしまった場合に、どの様なリスクがあるのか?

■税務監査(社内・当局)

金額・規模・恣意(悪意)の規模によりますが、大企業で大規模な恣意が合った場合には、社会問題まで発展するでしょうし、小規模であっても税務的な指摘があった場合には、少なからずとも、それに関与した人間に罰(懲戒・叱責・風評・マイナス人事考課があるでしょう。

結論=コンプライアンス・社内ルールの遵守

どんなに”面倒くさくても” ”実績を上げたくても”。コンプライアンスや社内ルールを遵守しましょう。そしてそのルールの趣旨・思いを理解しましょう。それが・・・

”自分を守る・長くその業務に従事する事に必ず繋がる”

 

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