契約書に貼る収入印紙のルール

IT関連の契約書においても、収入印紙を貼る必要がある場合があります。貼るもの、貼らないもの、いくらを貼るか?貼り忘れた場合はどうなるか?について整理しましょう。(詳細は印紙税法を参照)

収入印紙とは・・・

●収入印紙とは・・・

収入印紙・”印紙税法”で定められた”課税対象文書”(契約書や領収書)に対して納税を行う事です。

・納税の方法として一般的なのは、”収入印紙”を買ってきて貼る事です。

・”納税の証”として貼った収入印紙は再利用できないように契約印などで消印します。

●収入印紙を貼らないとどうなるか?

・罰則(地方の税務監査などで指摘を受けて納税する場合)は定められた5倍の納税が必要です。

・契約書は有効です。(印紙を貼る=納税行為と、契約を交わす=両者の合意は別物なので)

 

 

何にいくらの印紙を貼るか?

よく、手帳の裏表紙などに”印紙金額一覧”みたいな以下の表を見たことがあるでしょう。IT関連の取引について関連する以下の2項目について抜粋しています。これが”何にいくらを貼るか”のベースとなります。番号として7と2がありますが、これは印紙税法上でいう課税対象文書の様式(7号文書、2号文書)を表します。

番号 文書の種類 印紙税額(1通又は1冊につき)
継続的取引の基本となる契約書

(注)契約期間が3か月以内で、更新の定めのないものは除きます。
(例)売買取引基本契約書、特約店契約書、代理店契約書、業務委託契約書、銀行取引約定書など
  4,000円
請負に関する契約書

(注)請負には、職業野球の選手、映画(演劇)の俳優(監督・演出家・プロデューサー)、プロボクサー、プロレスラー、音楽家、舞踏家、テレビジョン放送の演技者(演出家・プロデューサー)が、その者としての役務の提供を約することを内容とする契約を含みます。

(例)工事請負契約書、工事注文請書、物品加工注文書、広告契約書、映画俳優専属契約書、請負契約変更契約書など
 契約金額の記載のないもの 200円
 1万円以上 100万円以下 200円
 100万円を超え 200万円以下 400円
 200万円を超え 300万円以下 1,000円
 300万円を超え 500万円以下 2,000円
 500万円を超え 1千万円以下 10,000円
 1千万円を超え 5千万円以下 20,000円
 5千万円を超え 1億円以下 60,000円
 1奥円を超え 5億円以下 100,000円
 5億円を超え 10億円以下 200,000円
 50億円を超えるもの 600,000円

”取引の基本となる契約書”はわかりやすいですね。ベンダーと交わす基本契約書全てにおいて4,000円の印紙の貼り付けが必要です。

誤解されやすいのが”請負に関する契約書”です。IT関連取引での”請負”とはプログラム開発のフェーズを指す事が慣例であり、プログラム開発契約書にだけ印紙を貼れば良いと誤解されがちです。しかしながら、印紙税法上の”請負契約”の定義は、”仕事の完成を約束する文書”となっており、業務委託契約や保守契約であっても印紙税法上でいう”請負契約”に該当します。

・具体的な要否判断(何は印紙を貼らないといけないか?)

 

・変更契約(契約金額の変更)

変更契約とは、基にある約書の内容を変更するものです。増額の場合は増額に対する印紙が必要となり、減額の場合は印紙を貼る必要はありません。要はその変更契約が表しているいる金額が契約金額となり、契約金額に対する上記の表に準じた、印紙の貼りつけが必要となります。(印紙税法上の解釈=変更契約の金額判定)

増額又は、変更前と変更後の金額が記載されて増額が認識できる場合。 → 増額に対して貼る
減額又は、変更前と変更後の金額が記載されて減額が認識できる場合。 → 貼らなくて良い
・増減額が分からず、変更後の金額のみ記載されている場合。 → 変更後の金額に対して貼る

 

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