■ITの進化(1968~1997)
ITはビジネスのあり方を大きく変えてきました。次々と登場する「ニュー・キーワード」にどう対応するか?。歴史を知る事が、潮流・対処をを掴む近道になります。
1968~1997 IT革命前夜 パソコンの時代 |
●1969年 RFC
90年代に爆発的に普及し、我々の仕事のあり方を変えたインターネットのルーツは1969年に遡ります。それは、1969年に任意団体のIETFにより公開が始まったRFC(Requests foe Comments)というものです。
これはネット技術の仕様を保存・公開する仕組みで、当初は「こんなことを考えました。意見を聞かせてください」という意味の文書だったが、現在は事実上、ネットでの標準規格となっています。
「今日、パソコンでも携帯電話でも同じネットワークに繋がるのは、RFCのお陰。インターネットでは、RFCで広く意見を募り、ユーザーの要望に応えて成長し続けるという仕組みが、当初から盛り込まれていました。
●1984年 GUI OS
GUIとは、ユーザに対する情報の表示にグラフィックを多用し、大半の操作をマウスなどによって選択できるユーザインターフェースのことです。
つまり画面上のアイコンやメニューからプルダウンされるメニューと言い換えることができます。
それ迄は、コンピューター特有の黒い画面にキーボードでコマンド(文字&命令)を入力して動かしていました。
これがCUI(キャラクター・インターフェース)というものであり一般のユーザーが使うにはある程度の専門知識が必要でした。
それらを根底から覆したのが、マックのアップルとマウスの登場です。それに追随したのがWindows95でありこの辺からパソコンがマニアの物でなく一般に広く受け入れられるようになりました。
●1989年 WWW
ワールド・ワイド・ウェプの略。ウェブサイトの基礎となるシステムを指す。スイスの欧州原子核研究機構の開発者だったバーナーズ=リーが個人的に開発した。
●1993年 ポケットベル
NTTドコモなどが提供していた小型端末にデータを送る移動通信システム。1993年にテレビドラマ「ポケベルが鳴らなくて」が放送されるなど広く普及した。
ポケベルとはポケットベルの略称で、ポケットベルはNTTの名づけた愛称であり、その事業を引き継いだNTTドコモはクイックキャストと名称変更した。世界的にはページャ(Pager)あるいは無線呼び出し(Wireless
call)という。
単純にいえば、電話の着信ベルだけを小型の携帯端末に送る仕組みである。機能を追加して、電話から十文字程度のデータを端末に送信し表示することもできるようになった。携帯電話での電子メールと似ているが、ポケベルは一方方向であり、ポケベルから発信することはできない(双方向のポケベルも出現したが、日本では普及しなかった)。
ポケベルの起源は1958年に米国で開始された「ベルボーイ」サービスだ。日本でサービスが開始されたのは1968年である。1986年頃から急速に普及した。1996年にピークに達し契約者数は1,078万人(うちNTTドコモ649万人)になった。その後、携帯電話やPHSにおされて急激に減少し、2007年にサービスが終了した。
●1993年 ザウルスとニュートン
写真左の「PI-3000」からタッチパネルを搭載。携帯電話の高機能化に押され,2006年3月以降新機種は発売されていない。
ニュートン:アップルが発売した世界初のPDA(個人向け情報端末)写真右。
手書き入力に対応するなど斬新な端末だったが、価格の高さなどから商業的には失敗し、1998年に製造中止。
●1994年 携帯電話の売り切り制度開始
1994年には、自動車・携帯電話機の買取制度(携帯電話機の売り切り制)の導入とともに、初期費用、回線利用に必要な料金の大幅な値下げが行われ、通信業界全体の大きなターニングポイントとなった。
NTT移動通信網(NTTドコモ)系9社、第二電電 (DDI) 系セルラーグループ8社、日本移動通信 (IDO) に、新規参入の第二弾であるデジタルホングループ(現ソフトバンクモバイル)とツーカーグループの参入のほか、端末機の供給でも家電メーカーなどが加わり、20社近くが名乗りを上げた事もあり、競争はさらに加速され、結果、携帯電話が広く一般に普及する下地が作られた。
日本国内の1992年での携帯電話機・自動車電話の稼働台数は約170万台。全人口に対する普及率は約1.4%にあたる。
●1995年 Windows95とインターネットエクスプローラ
Windows95の普及でGUIが一般化。インターネットエクスプローラーはネットスケープとシェアを争うが高機能化と97年からのWin95とのバンドル化により圧倒的なシェアに。
又、この頃から会社では、一人一台へパソコンが普及し始め、電話・FAX・通達(連絡)主体のやり取りから電子メールの世界へ大きく転換を始めた。
会社での文書作成に関してワードプロセッサーおよび一部のパソコンでの文書作成ソフト(一太郎)からマイクロソフトのワードに代わっていったのもこの時期から。
同時に表計算ソフトも一部のパソコンで使われていたロータス123から現在主流であるエクセルに変わったのもこの時期を起点としている。
●1995年 マップクエスト
またこの時期、グーグルマップの原点といえるサービスも生まれている。
ネット地図情報サイトとして最も早く本格的なサービスを始めたのがマップクェスト。高速回線が普及していなかったことなどから伸び悩み、2000年にAOLに買収された
●1995年 テレホーダイ
東西NTTが1995年に始めた電話料金の割引サービス。
23時~翌8時の時間帯に、2つまでの電話番号に対して月定額で通話をかけられるようになる。電話回線が主流だった当時、ヘビーなネット利用には欠かせなかった。
●1996年 PHS
高校生を中心に急速に普及。略語「ピッチ」が1997年版「現代用語の基礎知識」に掲載される。
●1996年~1997年 ネットブーム
Yahoo:米ヤフー設立。1996年4月にはソフトバンクと合弁で日本版を開始
アサヒコム開始:朝日新聞社が他社に先駆けてニュースサイト「アサヒコム」を1996年に公開。
ポストペット:機能より「可愛さ」をアピールする電子メールソフトとして話題となる。
楽天市場:安価にネット通販を始められると評判を集め、1年で国内最大のモールに。
Update 2016/06/01 Create 2010/10/10
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