■台湾のパソコンメーカー

だいぶ前にはやったネット回線抱き合わせの100円PC(ネットブックPC)から、シェアを拡大している台湾のパソコンメーカー。今では世界ランキング2位にまで伸びている。それらの概要・歴史について調べてみた。

①acer(エイサー)

acerエイサーは台湾に本社を持つパソコン及び関連機器メーカーグループ会社。傘下にAOpenを持ち大手PCメーカーのOEM事業も手がける。BenQ、AUOは元子会社。

デスクトップ・モバイルPC、サーバおよび記憶装置、ディスプレイ、周辺装置を販売。ビジネス、政府、教育、個人ユーザーと広範囲にわたりITソリューションを提供している。

2007年10月に、アメリカのゲートウェイ社を買収。収入は2003年49億USドル、2004年70億USドル。グループ企業にPCパーツを販売するAOpen、メモリモジュールを製造するApacerなどがある。

2009年、第3四半期のPC出荷数でデルを抜き世界シェア第2位のパソコンメーカーとなった。

●日本での展開

1988年に日本法人が設立されている。自社ブランド製品の販売では、国内メーカーの前に販売力、マーケティング力で及ばず、欧米市場のような大きなシェアを獲得するには至っていなかったが、2008年8月にネットブックAspire One発売を皮切りに、現在ではシェアを拡大し、PC本体や液晶ディスプレイなどを家電量販店で発売している。

ネットブックは一時の国内シェアを55.8パーセントにした。元子会社のBenQとは、液晶ディスプレイ分野において競合関係にある。

PCのOEM提供では国内でも高いシェアを誇り、NEC、日立製作所、富士通などにマザーボードほかの主要部品、もしくは完成品を提供している。

●沿革

1976年 - 電子計算機のエンジニアだったスタン・シー(施振榮)と彼の妻キャロリン・イー(葉紫華)を中心に宏碁公司を設立。創業当初は従業員11名の小規模な会社であり、工業デザイン、海外貿易、マイクロコンピュータ関連の3つを主要な業務としていた。

やがて一部創業メンバーの離脱により、マイクロコンピュータ市場に注力していくことになる。初期は他社ブランドによるOEMと米国からの電子機器の輸入で成長。

1981年 - コンピュータ学習機(ワンボードマイコン)マイクロ・プロフェッサー I(小教授一号、Microprofessor I)を自社ブランドで発売。これがエイサーの最初のコンピュータである。

1982年 - Apple II互換機であるマイクロ・プロフェッサー II(小教授二号、Microprofessor II)をイギリスで販売。当時の海外向けブランド名はマルチテック(Multitech)。同じ台湾のマイタック社(神通電脳)が国内販売を主としたのに対し、マルチテック社は輸出製品に力をいれた。

1983年 - Apple IIe互換機であるマイクロ・プロフェッサー III(小教授三号、Microprofessor III)をイギリスで販売。これらの成功によって国際的な名声を獲得し、大手メーカーにのし上がって行く。

1984年 - ディスプレイ・周辺機器部門を受け持つ企業「明碁電腦」(BenQ)を設立。

1987年 - 海外向けのブランド名をマルチテックからエイサー(Acer)に変更する。これは「テック」と社名につく別の企業との混同を避け、独自性の強いネーミングを志向したものであり、積極的・活力のあるという意味合いでトランプのエース(Ace)の意も含んでいる。

1987年 - 半導体部門を切り離し、社名をAcer Laboratories Inc. (ALi)として子会社化。
1996年 - PCパーツメーカAOpenを設立。
2001年 - ブランドロゴを「Acer」から「acer」に変更。
2002年 - 100か国以上においてグループ全体39000人を雇用。
2004年 - 創業者であるスタン・シーが引退。
2005年 - ジェイティ・ワンがエイサー会長兼CEOに、ジャンフランコ・ランチがエイサー社長に就任。
2007年 - ゲートウェイを総額およそ7億1000万ドルで買収することを発表。 パッカードベルを買収することを発表。 ゲートウェイを買収完了。
2008年 - スマートフォンの設計・製造会社E-TENを買収すると発表。

 

 

 

②asus(エイスース)

asusASUSTeK Computer Inc.(発音については下記参照)は、台湾の台北市に本社を置くPCおよびPCパーツ、周辺機器製造メーカー。日本法人はASUS JAPAN株式会社。

日本参入時から「ASUS」の日本での読み方は「アスース」が正式であり、日本法人の登記名は「アスース・ジャパン株式会社」であったが、2012年10月1日に「ASUS」の呼称を「エイスース」に統一し、同時に日本法人のアスース・ジャパン株式会社をASUS JAPAN株式会社に社名変更した。

日本人に馴染みのあるローマ字や英語とは異なる読み方であるため、誤って読まれることも少なくない。コンピュータ関連用語の読み方の話題では必ずと言っていいほど「ASUS」が取り上げられる。日本国内では「エーサス」、英語圏では「アスース」または「エィスス」に近い発音で読まれることが多い。

中国語表記の発音は上記いずれとも全く異なる。しかし、おおむねどの読み方でも通じる。ASUSTeKは「どんな読み方をしても、ASUSに親しんでくれればいいとして放置、呼称に対する同社の曖昧な姿勢が混乱を招いていた。

●概要

1989年にTH Tungらによって設立された。当時は日本でPC/AT互換機(いわゆる「DOS/Vマシン」)の市場が本格的に形成されはじめた時期であり、設立直後から日本にマザーボードを輸出していた。

新製品投入サイクルの短さと高品質とをモットーとしていたが、製品によってはBIOSの完成度が十分ではなくアップデート頻度が高いものもあった。

現在の製品分野は、業界最大手の1つに数えられるマザーボードのほか、ノートパソコンやビデオカード、DVDドライブなど多岐に渡る。OEMでは、ソニー・コンピュータエンタテインメント(PlayStation 2、PlayStation 3)やアップル(iPod、iPod shuffle、MacBook)、ヒューレット・パッカード、エプソンダイレクトなどへ部品の供給を行っている。

消費者向け市場では、2008年春頃から自社ブランドでネットブック「Eee PC」を本格的に販売している。

なお、ASRockという子会社を通じて、信頼性重視のASUSブランドとは異なる個性的なマザーボードの製造もおこなっていた。例えばi865チップセットで対応不可であるはずのIntel Core 2が動作する「ConRoe865PE」では、メモリはDDR400(これもチップセットメーカーの仕様では非対応)に独自に対応させ、更にDDR533にオーバークロックして動作させているという。

また、コンデンサなどの部品でもASUSと差別化が図られている。現在、ASRockはASUSの製造部門が分離独立したPegatronの傘下である。

2006年8月9日にGIGABYTE TECHNOLOGYと合弁会社を設立する計画を発表したが、一部の地域での独占禁止法に抵触する恐れなどから、2007年3月22日に事実上撤回した。

●日本での展開

日本代理店は、以下の通りである。
ユニティ(マザーボード、グラフィックカード、ノートPC、ベアボーン)
アスク(ワイヤレスネットワーク機器など)
エムヴィケー(マザーボード、ベアボーン、グラフィックカード)
なお、かつてはユーエーシーが国内総代理店であった。
 正規流通ルート以外の輸入品は並行輸入品扱いとなる。上記の代理店以外に販売された製品を許可無く日本に持ち込んだ場合、並行輸入品と見なされて正式なサポートが受けられなくなるとASUSTeKの本社が公式に表明している。

●製品

・マザーボード コンシューマ向け
・サーバ向け
・グラフィックカード
・サウンドカード Xonar シリーズ

・ノートPC・ラップトップ
2011年10月に発表されたASUS製のUltrabook「ASUS ZENBOOK UXシリーズ」をはじめ、スタンダードモデルの「Kシリーズ」、ゲーマー用の「Gシリーズ」、エンターテインメント用の「Nシリーズ」、モバイル用の「Uシリーズ」等がある。 ZENBOOK™ - 極薄、軽量、ハイパフォーマンスを誇る
ASUS製のUltrabook
VXシリーズ - ランボルギーニのデザインを採用したモデル。
ネットブック Eee PCなど
デスクトップPC Eee Box
Eee Top
All-in-one PC
タブレットPC・タブレット端末
ASUSのAndroid搭載モデルのタブレットPCは、ビジネスシーンでも活用できるキーボード付のモデルを販売しているのが特徴である。タブレットPCのみやWindows搭載モデルもある。 Eee Pad Eee Pad Transformer シリーズ - キーボードドック付のタブレットPC。キーボードドックの取り外しができる。タブレットPCのみも販売している。
Eee Pad Slider シリーズ - キーボード一体型タブレットPC。
Eee Slate シリーズ - Windows搭載モデルのタブレットPC。
Eee Note シリーズ - メモ機能搭載デジタルノートPC。
Nexus 7
ベアボーンキット
液晶ディスプレイ
日本では一部のモデルしか流通していない。 ストレージデバイス DVDドライブなど
ワイヤレスネットワーク機器
携帯電話端末
その他、PCケースやCPUクーラーなど。

●日本法人について

これまで日本国内にはサポート拠点のみ置いていたが、2008年7月から経営機能を強化した。いわゆる「5万円ノートパソコン」のEee PCシリーズがヒットしたことで、日本に根付いたビジネス戦略を迅速に展開する必要が出てきたことがその理由。日本法人トップに杜啓宇(ケビン・ドゥ)社長が就いた。

また2009年1月には関西以西におけるビジネスパートナーとの協力体制強化とリレーションシップ構築を行い、日本での更なる経営基盤強化を進めるため、ASUS大阪オフィスを設立した。

同社が、2008年10月に発売のデスクトップパソコン「Eee Box」に、出荷前からコンピュータウイルスが混入していたことが発覚した。また「Eee PC」の「701SD-X」モデルの外付けハードディスクにもコンピュータウイルスが混入していたことが発覚した。

同社は、出荷前にウイルスチェックを行ったものの、検出できなかったとしている。

 

Update 2016/05/01  Create 2011/06/10

 

 

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